こんにちは!
インドでは、宗教が日常生活と密接な関係にあり、毎年各地で多くの祭が開催されます。今回は、インドのみならず、世界中から多くの観光客を集めるマイソールのダシャラー祭の様子を紹介します。
- ダシャラーとは
- マイソールのダシャラー
- Mysore Dasara procession(象の行進)
- Torchlight Parade(炎と光のショー)
- マイソール宮殿のイルミネーション
- その他の見どころ
- 食事・宿泊情報
- 移動について
- マイソールへの行き方
ダシャラーとは
ダシャラー(ダシェラ)は、善が悪に勝利したことを祝うヒンドゥー教の祭です。西暦では、毎年9、10月頃に行われます。
ダシャラーは、地域によって呼び方や内容が異なりますが、狭義には、9つの夜を意味するヒンドゥー教の祭ナヴァラトリの最終日を祝うヴィジャヤーダシャミー(またはダシェラ、ダシャラー)を指しますが、南インドには、ナヴァラトリの期間全体をダシャラーと呼ぶ地域もあります。
また、ダシャラーは、東部州や北東州ではドゥルガー・プージャー、ネパールではダサインと同義とされています。
ヴィジャヤーダシャミー(ダシェラ)では、大音量の音楽と歌とともにドゥルガーやラクシュミといった神々の偶像を川や海まで運ぶ(そしてその後沈める)行進、悪を象徴する像の焼き払いなどが行われます。
※北インドのダシェラの様子(Pixabayより引用)
※ドゥルガー・プージャーの偶像(Pixabayより引用)
マイソールのダシャラー
マイソールのダシャラーは、毎年ナヴァラトリと同時期に始まり、最終日の10日目にはヴィジャヤーダシャミーになります。善が悪に勝利したことを祝う祭で、チャムンディ丘の女神チャムンデシュワリ(ドゥルガー)が、水牛の頭を持つ悪魔マヒシャスラを殺したという神話に、由来があるとされています。
この祭は、ヴィジャヤナガル王国時代の15世紀に始まったとされ、ヴィジャヤナガル(現在のハンピ)がイスラム勢力によって陥落した後、終わりを迎えましたが、マイソールのオデヤ朝が現在の元となる祭を1610年に再開しました。現在はカルナタカ州が主催しており、2010年には400周年を迎えました。
マイソールのダシャラーでは、祭の期間中、文化プログラムやスポーツイベント、映画祭など多くのイベントが催されます。その中で最も盛り上がりを見せるのは、最終日に行われるMysore Dasara procession(象の行進)とTorchlight Parade(炎と光のショー)です。
Mysore Dasara procession(象の行進)
Mysore Dasara processionは、ダシャラー祭最終日に行われる盛大なパレードで、祭の最大の見どころです。仮装行列やダンスグループ、音楽隊、馬、ラクダ、装飾された象などが列をなし、時折パフォーマンスを披露しながらマイソール宮殿内を行進し、Banimantap Groundsへ向かいます。
パレードの通り道にはどこも人だかりができ、インドらしい、まさにカオスな様相を呈します。
基本情報
名称 |
Mysore Dasara procession(Jamboo Savari) |
実施時期 |
ダシャラー祭最終日の14:00~17:00頃 |
入場料 |
・Jamboo Savari単体:500ルピーと1,000ルピーのチケットがあるようです。 ・Mysore Dasara Golden Card:約4,000ルピー(Mysore Dasara Golden Cardがダシャラー祭の共通チケットになっていて、これを購入すればMysore Dasara processionとTorchlight Paradeを会場で見ることができます) ※個人でチケットを入手するのは困難だと思われます。 |
所要時間 |
約3時間 |
行き方 |
マイソール市内から徒歩またはオートリクシャー |
備考 |
パレードはマイソール宮殿を一巡した後、KR Circleを通過しBanimantap Groundsへ向かいます。宮殿外の道路で待っていれば、無料で行進を見ることができます。 |
*訪問時点の情報です。
※パレードのルートはこんな感じでした。
実際に行ってみた
会場のマイソール宮殿内は、人々で埋め尽くされています。
人が多過ぎて、パレードはあまりよく見えませんでした。
2階席に行けば、全景はよく見えたかもしれませんが、早々に諦めて宮殿外の通過ポイントに移動します。
道路沿いであれば、良い場所を確保できると考えていましたが、その考えは甘かったようです。
宮殿外はもっとカオスでした。
シティ・バススタンドには大型モニターが設置されていて、宮殿内のパレードの様子を少しだけ見ることができました(人が多過ぎてポジション争いに体力を消耗するため、数分で退散しました)。
他の場所に移動してもこの人だかりです。
インドの人口の多さを嫌というほど味わえます。熱気もすごいです。
結局、象が行進しているところは何とか見ることができましたが、人混みで写真におさめることはできませんでした。
実際のパレード模様については、こちらのYoutubeの動画をご参照ください(象が現れるのは2:03:05~です)。
Torchlight Parade(炎と光のショー)
Torchlight Paradeは、マイソール宮殿から北へ約3km離れたBanimantap Groundsで行われる炎と光のショーです。約2時間にわたるこのショーでは、体を張った馬術やオートバイのスタント、文化プログラム、レーザーショー、花火などが披露されます。
このイベントの元々の目的は、国民に自信を与えるとともに、王の軍事力を誇示するためのものでしたが、現在では、かつての支配者の壮大さと威厳を示し、歴史の一部を垣間見る機会を提供するものになっています。
基本情報
名称 |
Torchlight Parade |
実施時期 |
ダシャラー祭最終日の19:00~21:00頃 |
入場料 |
・Torchlight Parade単体:250ルピーのチケットがあるようです。 ・Mysore Dasara Golden Card:約4,000ルピー |
所要時間 |
約2時間 |
行き方 |
マイソール市内から徒歩またはオートリクシャー |
備考 |
Jamboo Savariと同様、個人でチケットを入手するのは困難だそうです。 https://starofmysore.com/where-are-dasara-gold-cards-tickets/ |
*訪問時点の情報です。
僕は市内のBeer Gardenというレストランで、Torchlight ParadeのLive中継を見ましたが、インドらしく冗長で、外国人にとって興醒めな内容であるように感じました。
イベントの模様については、こちらのYoutubeの動画をご参照ください(15:25〜くらいからイベントが始まります)。
マイソール宮殿のイルミネーション
マイソール宮殿は、1912年に完成したマイソール藩王の宮殿で、現在は博物館として公開されています。その建物は、ヒンドゥーとイスラムが融合したインド・サラセン様式の代表的建築物として知られています。
マイソール宮殿は、マハラジャの宮殿の中でも屈指の豪華さと壮大さを誇ります。そして、数万個の電球でライトアップされた姿は、日中とはまた違った雰囲気を醸し出します。
基本情報
名称 |
Lightnings in Mysore Palace |
実施時期 |
日曜日、祝日(ダシャラー祭期間中は19:00~22:00) |
入場料 |
無料(日中の宮殿見学は有料) |
所要時間 |
約1時間(関心度などによって個人差があります) |
行き方 |
マイソール市内から徒歩またはオートリクシャー |
備考 |
ダシャラー祭最終日は、宮殿の建物内を見学することができません。 |
*訪問時点の情報です。
実際に行ってみた
入口は通常利用する南ゲートではなく、敷地北側にあります。
人混みをかき分けて進みます。
しばらく歩くとライトアップされたマイソール宮殿が姿を現します。
少しディズニーシーっぽいでしょうか、とてもきれいです。
近くの寺院も一緒にライトアップされます。
電飾の照明が落とされるとこんな感じになります。
宮殿近辺の道路のイルミネーションもきれいです。
渋滞がひどいのでご注意ください。
その他の見どころ
この他にも、マイソールの街を一望できるチャームンディの丘や、野菜と果物の市場デーヴァーラージ・マーケットなどがあります。また、郊外まで足を伸ばせば、一時期マイソール王国の都が遷されたシュリーランガパトナと、ホイサラ朝時代の寺院があるソームナートプルといったところもあります。
食事・宿泊情報
今回食事で利用したのは、The old house と Beer Garden です。
どちらのお店も料理が美味しく、外国人も利用していました。
宿泊先は、マイソール宮殿から徒歩圏のMansion 1907 を利用しました。
宿のスタッフの人曰く、ダシャラー祭の期間中はどの宿も部屋が一杯になるとのことです。
移動について
市内の移動は車かオートリクシャーがメインになります(マイソールでは、UberやOlaが使えます)。
ダシャラー期間中は市内がとても混雑し、マイソール宮殿周辺に通行規制が敷かれるため、車での移動が難しくなります。
マイソールへの行き方
マイソールには、ベンガルールから鉄道またはバスでアクセスできます。
鉄道駅の外観はこんな感じです。
セントラル・バススタンドはこんな感じです。
ベンガルールのサテライト・バススタンド~マイソールのセントラル・バススタンド間はバスが頻発していて、所要時間約3時間です。
また、ベンガルールのケンペゴウダ国際空港からマイソールのセントラル・バススタンドに直接アクセスできるFlybusという直通バスも出ています。
このほか、ハッサン、マンガルール、チェンナイなどの都市からも、バスや鉄道でアクセスすることができます。
ちなみに、ハッサン近郊の見どころはこちらにまとめています。
2020年のダシャラー祭は、10月17日~26日にかけて行われるようです。興味がある方やインドの祭のカオスさを経験してみたい方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
それでは良い旅を!